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2001年9月7日(金)
今回のご意見テーマ
「保育園の子どもは、かわいそうですか?」
大阪の実例をお送りいただいたり、今回も貴重なディスカッションが展開され、嬉しく思っています。やっぱり、「改革」というのは、「思い込み」「慣習」「制約」などから解放されて、自由に考えると、斬新なアイディアに行き着くように思います。
9月10日から、いよいよ「総合規制改革会議」秋の陣(?)が開かれますので、みなさんからの声を内閣府にお届けして、改革文面に入れ込めるよう力を尽くしていきます。
次号からは、積み上げ式でみんなで提案内容を固められれば、と思っています。 まずは、メンバーのみなさんからの貴重なご意見。是非、お読みください!
ewoman:規制改革メルマガ編集長
佐々木かをり


経営者の立場から考えないと(south44)
条件付きで賛成です。結局幼稚園の施設を、保育所としても活用するかしないかを判断するのは、ほかならぬ幼稚園の経営者さんなんですから、彼らの立場に立って考えなくては話になりません。要するに、既存の幼稚園に保育所の役割も担わせるわけですから
- 乳幼児の受け入れのためのノウハウや設備
- 営業時間延長分の設備費や人件費
- その他幼稚園になくて保育所にはかかるコスト
をクリアできればいいわけで、問題は、ではそのコストを誰が負担するのかということでしょう。当然園児の親が負担することになるでしょうが。改革が進めば、税金投入は期待できませんし、採算が合わなければ、幼稚園側もさっさと撤退するでしょう。逆に親御さんが少々高くても、サービスの対価にふさわしいコストをきちんと負担するのであれば、市場価値が増して民間業者も次々に参入し、一気に保育難民を減らすことができるでしょうね。
幼稚園を保育園に再整備できれば(匿名)
「待機児童の解消に幼稚園を活用」というアイデアは目から鱗でした。わたしの住む市では、今年の4月に新しい市立保育園が開園しました。少子化と仕事を持つ女性の増加で定員割れの幼稚園も多いのですが、保育園の入所希望は増え続けているためです。子どもの数はピーク時の6割くらいであることを考えると、幼稚園でも空き教室があると思われます。なんでも新しく作るのではなく、既存の建物やシステムを利用するというのはとてもいいことだと思います。ただ待機児童というと、低年齢の乳幼児が多いと思うので(実態は存じないのですが)、小さな子どもを預かるノウハウがないことが不安材料です。定員不足で経営難の幼稚園を、行政支援で保育園として再整備、なんていうことも可能になったらいいですね。
幼稚園もいろいろあるが……(mamarin)
活用賛成だが・・・、その理由は
- 児童を減らすだけでなく、保育園の入園基準を役所が握っているのとは違い、親に選択権ができると思うから。
- ノウハウ、教諭の質の問題は段階的に解決できると思うから。
- 保育などになってしまうより子どもも親も安心できる。
- 子どもを預かる環境という点では無認可の託児所などより優良であると思うから。
しかし、問題点としては
- 3歳未満の子を預かる物理的条件をどう整えるのか、費用は誰が負担するのか。親にその負担が払えない場合、結局入所を待つことになるのか?
- 家の子たちの通った幼稚園はキリスト教系で、常に幼児教育(早期教育という意味ではなく)に重点を置いており、延長保育(たった2時間)に踏み切るのも大変であった。子どもの負担を減らしたいと考えていた。一方、近所にある別の幼稚園の園長は、園経営をビジネスと割り切っており、はっきりと親にもそう言っているそうだ。したがってお稽古、お受験、0才児保育と次々に導入し一種軍隊のような教諭や児童の管理を行っている。両極端ではあるが、経営者の視点のみで保育園の肩代わりをするところも多く出現することだけはたしかだと思う。
- 補助金などが行政から出ることになった場合の収支の透明性や開示をどう実現するのか。最近はこの手の税金泥棒が多いので、納税者としても疑問だ。
3歳未満の子どもはどうする?(そうたん)
近所に幼稚園はいっぱいありますが、延長保育がある保育所に預けるため、遠くまで自転車で通っています。幼稚園には園庭もプールもあるし、広さ的には問題ないでしょう。ただし、厨房はあるのでしょうか? それと0〜3歳児用の設備が整っていないので、多少の工事が必要になると思いますが、保育園の先生も就職浪人している方がたくさんいるそうですし、ぜひ、職場をふやし、殺人無認可保育所を一日も早くなくしてほしいと思います。3歳以上は保育園でも幼稚園でも大差ないと思いますが、3歳までの小さな子どもたちを預かる設備を整えれば、十分に幼稚園が保育園に変わることもできると思います。
幼稚園と保育所の合体したところありますよ(ひなママ)
うちの子どもがお世話になっているところは、幼稚園が保育所もやっていて、実際に今回の議論を実践しています。そして、完全に満足とは言いませんが、とてもよい環境で保育・教育していただいています。幼稚園チームは2時頃まで、保育所チームは最長7時まで預かってもらい、クラスの中に両者がまぜまぜになっています。0歳児・1歳児・2歳児クラスは保育所のみで、保母さんもたくさんいらっしゃいます。子どもたちへの保育・教育の仕方は園の方針に沿ってなされ、わたしにとっては、保育所と幼稚園の違いなんて大したことなく思えます。メルマガにあったように、子どもにとっていい環境であれば、幼稚園を活用すべきです。統括するお役所が違うからとか、保育と教育の差は・・・なんて、縦割り行政の言い訳でしかありません。実務的には、幼稚園が0歳児、1歳児の受け入れをできるかが一番ネックになってくると思いますが、わが子のお世話になっている大阪市港区の「日輪学園」を視察・取材いただければ、その解決法は見えてくると思います。
幼稚園の保育園化大賛成!(Hat)
子どもの通う保育園では、午前9時〜5時のあいだに保育時間に追われる人がかなりいます。もし幼稚園が保育園のような機能を兼ね備えていれば、その人たちは幼稚園に預けられ、長時間保育が必要な人が保育園を利用できます。わが保育園は、需要度の高い人が待機して、余裕のある人が幼稚園の延長のように預けているという矛盾があります。必要度にあわせて保育園と幼稚園への振り分けが容易になればいいのに。それには、文部科学省と労働厚生省の縦割りを排除するべきだと思います。

幼稚園の存在意義はなくなるのでは?(園長)
幼稚園と保育園を一緒にすることは、けっして難しいことではないですよ。教育と保育は一緒にならないのではなくて、長時間であれば、「教育だけです」ということ自体がありえないというだけです。早朝と午後の時間を保育、午前の活動時間を教育と考えればいいし、現に保育園でもそういうデイリープログラムになっています。幼稚園の預かりとか、長時間部分を「ナースリー」と呼んでいるところもありますよね。子どもの発達、育ち、よりよい生活を考えれば、おのずと、同じになるのです。それに、栄養を考えた食事、必要な休息(午睡)をプラスする。「ちゃんと子どものことを考えた幼稚園の長時間保育=保育園」、何も変わらないのです。とすると、幼稚園は存在意義がなくなるのではないですか?
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