「働く女性と『婚活』『離活』」
(岡野あつこ/治部れんげ/白河桃子/金野志保※)※ファシリテーター
夫婦問題研究家の岡野あつこさん、ビジネス誌記者の治部れんげさん、ジャーナリストでライターの白河桃子さん、そしてファシリテーターに弁護士で早稲田大学大学院法務研究所教授の金野志保さんを迎えた「働く女性と『婚活』『離活』」の分科会。「婚活」「離活」界のスペシャリストが揃いました。
ドアオープンを待ちきれず、準備中の部屋の扉を開ける人が続出! スタート前から参加者の期待の高さが伺えます。「今日のこの分科会を、とても楽しみにしていました」と講師の皆さんがご挨拶。最初に、会場のニーズを知りたい、と挙手による簡単なアンケートをとった結果、参加者半数近くが既婚で子どもがいる方。「離活」への興味も高いようです。
中央大学教授の山田昌弘さんとともに「婚活」を提唱し、共著の『婚活時代』が17万部のヒットになった、白河さん。「『婚活』と『離活』は、全く違うものではない」ということ、そして「『婚活』は結婚したら終わりではない。『結婚維持活動』も『婚活』である」と断言。「再活(再婚活動)」「産活(出産活動)」などの新しいキーワードも飛び出し、「働き続けることで結婚の選択枠が広がる」とビジネスウーマンに心強いお言葉が。その一言で会場に熱が高まります。
NHKドラマ『コンカツ・リカツ』の監修者としても知られる岡野さん。「参加者から『聞きたくてここに来た』という意識をすごく強く感じる」と、会場の雰囲気をコメント。ご自身の経験から、離婚相談についての興味深い事例を多数紹介してくださいました。「『婚活』も『離活』も幸せになるための活動」であると言う夫婦問題のパイオニアの言葉に、参加者の共感はますます高まる様子。参加者全員に、著書『離婚なんてもったいない!』がプレゼントされ、嬉しい記念となりました。
アメリカの夫婦関係についての調査をし、その著書もある記者、治部さん。「何もしない夫は、キャリアの足を引っ張る」「いくら制度が整っても、旦那が協力しなければ意味はない」とバサリと言い切る姿は痛快です。アメリカの管理職の男女比、出生率、離婚率。それぞれに共通する数字についての解説を通し、日米の夫婦関係の違いが浮き彫りにされました。また、自分達に合った結婚を維持するためには、相手への感謝を言葉に出さねば、とご自身の反省も含めて振り返りました。
ファシリテーターの金野さんは、弁護士としてさまざまな結婚・離婚問題を見てきた経験から、専門的な立場ならではの実践的なアドバイスを披露。また、そんな中で行き着いたという「こういう男を選べ」「こういう男は選ぶな」という、婚活中の女性たちにとって聞き逃せない大切な条件が3つ挙げられました。会場は、大きくうなずいて共感を示したり、意外!という様子で驚きの声をあげたり。「働く女性が選ぶべき男性のタイプ」についての結論が出た際、会場は大いに盛り上がりました。
参加者からは「夫の両親とうまくやるには?」「理想の男性像について学ぶ方法は?」「日本での離婚の法律のシステムは、男女平等?」などの真剣な質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。
これから初めて結婚や出産をしたい人、離婚を考えている人、再婚を考えている人……。それぞれがためになるポイントが、盛りだくさん。各講師の例え話や、リアルな体験談に、常に大きな笑いがおき、男性の参加者も「面白かった!」と満足する楽しい時間になりました。もちろん、終了後は、講師に名刺交換を求める長蛇の列が。パーティの開始時刻が近づいてきても、興奮覚めやらず、皆熱心に講師との会話を求めていました。きっと続きは「表参道カレッジ」で。
【リポーターからのリポート】
- ■ 感謝の気持ち(シロ子さん)
「結婚の理由」と「離婚の理由」が実は同じというお話、自分のことに置き換えて考えてみました。以前は長所と思っていたことが今は短所に思える、正直ズバリ当てはまっています。結婚前は「本当に優しい人で何か決める時はいつも意見を聴いてくれる」が、今では「優柔不断で何も一人で決められない」になっていました。必ず裏をみる! これはパートナー以外でも考え方としてぜひ実行したいことです。男性の選び方……できれば、結婚する前に知っておきたかった内容でしたが、今後の私の人生の選択にも役立つ情報でした。私は、お話の中で話題になった男を立てるのがうまい九州の女のはずですが、現実まったくできず、いつも主人と衝突しています。感謝の気持ちを持って接することが大切ということ、頭ではわかっているのですが、実行は難しいと感じます。この分科会での収穫は、なんと言ってもこれまではあまり深く考えなかったこと、むしろ考えるのをさけていたこと……。自分自身の幸せって何なのか、何を大切にしたいのか、これから結婚維持活動を続けるのかどうか、離婚した場合のリスクは? など、今後のことについて少し冷静に考えてみるための材料と機会をいただいたと思っています。
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