
「第14回国際女性ビジネス会議」では、朝10時の佐々木かをり実行委員長のあいさつに続いて、まず最初の講演スピーカーとして登場したのが、ピンクとブルーの柄物のジャケットを着た山本寛斎さん。会議のテーマである「Act outside the box」を生きている山本さんは、デザイナーとして名高く、国内外の多数のイベントのプロデューサーとしてもその才能を発揮されています。マイクを握ると、まず「このような空気感の中で話すのは初めてです」と胸を高まらせて、スピーチを始められました。「皆、目が輝いていて、しっかりと魅力を持った女性たちに見えます」。参加者が放つ華やかさと前向きな空気感を敏感に感じ取られた様子です。「人間讃歌」と題したスピーチは、ご自身の手がけたイベントを紹介しながら、成功させるパワーの源、世界レベルの“想い”などを情熱的に語ってくださいました。大スクリーンに映し出される映像と音楽で、会場は一気に興奮となりました。

純粋な想いが原動力に
ファッションデザイナーとして、パリ・コレ、ニューヨーク・コレクションなどに参加した後に、野外イベントを自分で実現したい、と思ったきっかけは、モスクワの赤の広場にあったのだそう。親切なロシア人たちに対して「この人たちと握手をしたい!」その想いが原動力になったと言います。それまで、一切、外国人に貸し出した前例のない赤の広場。寛斎さんは直接先方と交渉をし、12万人も集まる一夜のビッグイベントを成功させました。
ロシアの2年後にはベトナムのハノイで。湖上で行ったので、紙吹雪の替わりにライスペーパーを使い魚の餌になるよう工夫するなど、様々な演出の話は大変興味深いものです。スクリーンに映し出されるその日の映像は、激しく、エネルギーに満ちて、すさまじい熱狂ぶりが伝わって来ます。

未来には前例がない
その後もインド、バリをはじめ、国内でも郷里の岐阜、山口県の博覧会など、様々なイベント風景が、マイナス8度の中での準備、1年間消防署に通ってとった屋内での気球使用許可などのエピソードと共に紹介されます。資金集めから演出まですべてを自分で取り組み、実現に導くその力の源は、「ビジネスではなく、国際交流がしたい」という想いのみ。「一番のガソリンは心の中の決意」。ゆるぎない口調は、世界レベルの強さを放ちます。
さらに、ベルリンで倒れて入院したエピソードも。死を意識して以降、自分のエネルギーについて、より考えるようになったのだそう。「何かをやりたくなったら、できることをすべてやる。ダメならいいや、という気持ちは一切ない」「毎日覚悟をもって過ごす」。
10年前には想像もできなかったような携帯やパソコンが、今、形になっていることを例にとり、「未来には前例がない」という印象的な言葉を力強くメッセージ。圧倒的な寛斎ワールドで、「Act outside the box」新しい発想で挑戦しよう、という「第14回国際女性ビジネス会議」の会議テーマが一気に会場に広がりました。
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